バグダット・カフェのジャスミンに学ぶ処世術3選

目次

①はじめに
②処世術その1 〜見返りを求めない心〜
③処世術その2 〜意外な特技〜
④処世術その3 〜さらけ出すこと〜
⑤さいごに

はじめに

『バグダット・カフェ』とはパーシー・アドロン監督によって1987年に公開された映画で、アメリカにある1軒のモーテルを舞台に様々な人間模様を描いた不朽の名作です。コミカル、シリアス、社会問題、アートといった一見too muchなぐらいの様々な要素が絶妙に気持ちよく混ざり合い、見たあとはちょっとポジティブになれる…まさに知っておいたほうがいい映画『バグダット・カフェ』の中からも今回は特に、登場人物のドイツ人中年女性ジャスミンにフィーチャーします。

彼女が劇中に行う様々な行動には、現代の情報社会を生き抜く私たちが、周囲の人から好かれ、より良い人間関係を気づくヒントがたっぷり。そんなジャスミン流バグダット・カフェ処世術を3つのポイントに分けてお伝えします。

処世術その1 〜見返りを求めない心〜

ドイツのローゼンハイム出身で濃い目のコーヒーが好きなジャスミンはひょんなことからアメリカの片田舎のバグダット・カフェに滞在することに。愛想の悪い人も多い異国の地で、長期的にそこに滞在することにが決まってしまった時、大抵の人ならそこでひるんでしまうのではないでしょうか?ジャスミンもはじめは少し寂しそうな表情を見せますが、彼女はこの地の人たちと近づくことを心に決めます。掃除・洗濯、自分の大切なものの貸し出し、時には裸になる…まで見返り求めず、彼女は周りの人のためになることをやり続けます。周りの人たちは初め、見返りを求めない彼女のことを煙たがったり、奇妙な目で見たりします。しかしそれでもめげずに人の役に立つことを続ける彼女。そんな彼女の行動に人々は徐々に心を開いていきました。

これは、現代人の我々にとっても見習うべき行動です。よく「Give and Take(ギブ・アンド・テイク)」なんて言ったりしますが、彼女の場合は「Give Only」なわけです。おおらかで、打算的な考えがない人には自然に人が群がる。気づけば数字ばかり追わされる現代社会だからこそ、こういった考えを大切にしたいものです。

処世術その2 〜意外な特技〜

あなたにしかできないことはありますか?あるいは誰かを喜ばせるために必死に身に着けた能力はありますか?こういった特技は時にあなたの人間関係に役立つようです。ジャスミンは劇中にモーテルの人々が釘付けになるような特技を披露します。もちろん、はじめからその特技を持っていたわけではなく、必死に勉強して身につけた特技です。どうやら周りの人が一度自分に目を向けてくれら、次に大切なのは「笑いと感動」であるようです。ジャスミンは、周囲の人達にたくさんの笑いと感動を与える様になっていきます。こうなると、周りの人はジャスミンがいないと寂しい、ジャスミンいなくならないで!となります。処世術というと少し無機質ですが、ここまで来たらジャスミンのモーテル内での存在感は、はじめましての時から形勢逆転となるわけです。

これも、現代人の我々にとっても見習うべき行動です。仕事はあんまりできないけどお酒をよく飲む人、無口だけどタイピングがめちゃ速い人、どんな小さな特技でもあなたの周りの人はその意外性に「感動」しているはず。周りの人の心をつかめる特技を一生懸命身につけたいものです。

処世術その3 〜さらけ出すこと〜

「相手が何を考えているかわからない。」コミュニケーションや人間関係の悩みにはこの項目が付き物です。しかしジャスミンから言わせれば、そんなのは関係ありません。まずは、自分の中にある相手への気持ちを誠意をこめて表現する・行動に移すことが大切なのです。一切相手には評価を求めません。相手や周りのことを考えすぎて、リスクを恐れるあまり、表現や行動に移すことができず、結局いい関係を作れないよりも、怒られるかもしれない、しかしながらせいいっぱいやる、という過程の中にこそ、良い人間関係を築くヒントがあるということを、ジャスミンが体現してくれています。ジャスミンの場合は、その気持が強すぎて、裸にまでなってしまいますが…

我々現代人にとっても同じことが言えます。相手との関係に亀裂が入らないようにすることが大切なのではありません。強く、太い絆を気づきあげることが必要なのです。なかなか、安牌な人間関係ばかりを築いている方が実は多いんじゃないでしょうか?

さいごに

いかがでしたでしょうか?ジャスミンから学ぶことはとってもたくさんありそうですよね?ここまで書いておきながら知っておいて頂きたいことが一つあります。それは、この映画に私がここまで書いて来たような真面目さ、堅苦しさのようなものは一切なく、ただただ楽しく、ダラダラと観ていられる映画であるということ。

私が『バグダット・カフェ』は3回以上観ているため、深読みしすぎて、自己啓発の文章みたいになってしまったことをお詫びします。笑
劇中歌「Calling You (Jevetta Steele)」も最高なので、ぜひ耳を傾けてくださいね。

投稿日 2021.09.17 / 最終更新日 2024.03.27

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