戦争映画は大体が大団円にならない

かなり昔に観たディア・ハンターは結構記憶に残っているので、記憶に残るということは良い映画だったんだろうなと思います。
※ネタバレ含みます。

自分は映画館に行くのがあまり好きじゃなく、その理由は以下の点で

  • シナモンの匂いが苦手
  • 人ゴミが苦手
  • 誰かと観た映画の感想を言い合うのが嫌い

なので映画は家で観たりすることが多いのですが、元から小さい頃から親がWOWOW(ワウワウ)で録画した映画を観たり観させられたりしていました。

そんな中でもディア・ハンターはまだ10代の頃に観たのですが、今でも内容をよく覚えていました。
他にも戦争映画といえばプライベート・ライアンとか有名どころも観たのですがあまり内容覚えてません。

この映画は主に3部構成になっていて、「青年編」「戦争編」「帰国編」になっていると個人的には感じています。

ディア・ハンターはその3部構成がとても印象的な映画です。特に「青年編」は、彼らの地元での平和な日常と友情が描かれる部分であり、これが後半の展開をより痛ましく、切なくする要因になっています。

冒頭では、ロバート・デ・ニーロ演じるマイケルやクリストファー・ウォーケン演じるニックたちが、工場で働きながらも狩猟を楽しみにしている様子が描かれてます。結婚式のシーンでは彼らの友情が色濃く表れていて、ただの戦争映画ではなく、人物描写に重きを置いています。

しかし、その楽しい時間も「戦争編」に入ると一転します。ベトナム戦争の激しさを描いた戦闘シーンもありますが、特に衝撃的なのはロシアンルーレットのシーン。
捕虜になった彼らが無理やり拳銃を渡され、互いに引き金を引かされるシーンは、今観ても緊張感がすさまじく、手に汗を握ります。
ここで彼らの関係性も大きく変化し、生き延びるためにどうするかという極限状態に追い込まれます。

「帰国編」は、生還したマイケルが戦争の傷を抱えながらも、故郷での生活に戻ろうとする様子が描かれます。しかし、戦争前と同じような生活はできず、心に深い傷を負ったままの姿が痛々しい。特に、ニックの結末は何度観ても胸を締め付けられるものがあります。あの場面では、マイケルの「One shot(ワンショット)」という言葉が強く響き、戦争が彼らの人生にどれほどの影響を与えたのかを痛感させられます。

戦争映画というと、ド派手な戦闘シーンをイメージしがちですが、この映画はそれよりも「戦争が人間に与える影響」に焦点を当てている作品です。映画を観終わった後、ただの戦争映画ではなく、人間ドラマとしての側面が強く心に残る作品でした。

投稿日 2025.02.07 / 最終更新日 2025.02.12

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