プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ(宿命)

「父親の仇!」「末代まで呪ってやる!」
どこか現実味がない言葉だし、そもそもこんなセリフ言ってる人見たことない気はするけど、誰もが一度は耳にしたことのある言葉だろう。
頻出ではないものの、この言葉が存在することは、良く言えば「家族の愛」、悪く言えば「血は争えない」みたいなものが私たちにとって当たり前なぐらい身近にあることを物語っていると思う。

 

冒頭のライアン・ゴズリングの登場シーンから、スーッとシーンに没入できるこの作品の名は『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』。
スリリングなシーンからきれいな伏線回収、あるいは友情、裏切りまで、たくさんな要素が見事に気持ちよく混ざり合いストーリーは展開されていく。見終わった後、これだけたくさんの要素が入っているのに、決してくどくない、さわやかだが壮大ないい映画だなと思った。

 

身近すぎて、ローカルすぎて、当たり前で、大げさに取り沙汰されないモノやコトにこそドラマはある。私たちはこの世に生まれた時点で、多かれ少なかれ他人(最低でも生みの親)のドラマに巻き込まれているわけだが、これを幸せなことだと捉えられる人生が楽しい。この映画はそんなことをふわっと感じさせてくれた。

投稿日 2020.11.20 / 最終更新日 2024.03.27

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