Three billboards(スリー・ビルボード)
「好きなことを仕事にできていて羨ましいー」
独立してかつ、デザイン・撮影・Webサイト制作というクリエイティブな仕事をしているからだろうか、周りからそう言われることが多い。
もちろん独立した大きな理由が「好きなことをやる」ことだから、その声は正しいのだろう。
でも、たまに思う「俺は本当に好きなことができているのだろうか?」
自分の中ではアートワーク、クライアントワークという言葉に置き換えて言い聞かせることが多いが、私たちの仕事は「クライアントワーク」。お客さんからの要望が発端で制作物を作り上げていく。要望の中には正直、納得できないものもある。そんな時、妥協はしないが、折れることはある。そんな時に思う「俺は本当に好きなことができているのだろうか?」
映画『スリービルボード』で、ミルドレッド・ヘイズ演じる主人公は、好き勝手やっている。
目的のためには手段も選ばないそのスタンスは、多くの問題も起こすが、同時に多くの人を巻き込み、物事を動かす。
その思い切りの良さは度を越したものが多く、彼女が起こす行動そのものが映画のメインストーリーとして描かれていく。
映画の背景にある出来事を考えると不謹慎ではあるが、「こうなれたら気持ち良さそうだな。」これが映画を観た時の素直な感想だった。
そして人は怖いものがない状態になった時、「気持ち良い」も「気持ち良くない」も無くなるのかな、とも思った。
幸い、主人公は最後には学んでいく。好き勝手をするには責任が伴うことを。
もし、『スリービルボード2』ができるとすれば、1の『スリービルボード』よりも主人公は好きなことができなくなっているのだと思う。でもそれは悪いことではなく、周りの友人のことを考える時間が多くなるからだろう。
つまり、私は好きなことができていて、周りの意見も素直に聞くことができる優しい社長ということになる。